第13回 【 産後の授乳は、出来るだけ早く開始すること! 】

産後のお母さんや赤ちゃんの体調に問題がなければ、可能な限り早期に授乳を開始することが理想的です。

赤ちゃんが生まれると、乳腺は母乳を作ろうとジワジワ変化していきます。直ぐに母乳がジャージャーと出るわけではありませんが、赤ちゃんに乳房を吸啜されることにより、本格的にスイッチが入り母乳が出始めます。まだろくに出ないからと乳房を吸啜させないでいると、乳房がカチカチパンパンに張ってしまい、赤ちゃんが吸啜出来なくなる場合があります。ですから、まだ張っていない柔軟な状態の乳房を吸啜させることは、とても重要なことなのです。

それと、乳頭混乱を防ぐことも大切です。母乳の不足分として人工乳を追加することは必要なことですが、乳房と哺乳瓶の乳首とでは吸い方が異なります。哺乳瓶の乳首に慣れてしまうと、お母さんの乳房を上手く吸啜出来なくなってしまう赤ちゃんが時々いるのです。そういったことを考慮して、産院によっては哺乳瓶を使用せず、スプーンやカップなどで人工乳を与えるところもあります。『哺乳瓶が絶対にダメ』ということではないのですが、哺乳瓶使用の影響を受けやすい赤ちゃんがいることも確かなので、慎重に対応して頂くことも大事かなと思います。

直接授乳のコツは、とにかくお母さんの乳首と赤ちゃんの口の位置を、真正面に合わせることです。位置がズレていると、浅くなったり歪めた吸啜になるので、乳首が切れたり血腫や水疱ができてしまい、あまりの痛みに授乳が苦痛になります。痛みを我慢していると、母乳分泌量に影響したり、後々の乳頭トラブルに繋がる場合もあります。

産後の入院期間は、母子ともに問題がなければ一週間もありません。そんな短期間でいろんなことを習得しなければならないなんて、そもそも無理な話だと思います。特に初産の方は全てにおいて初めてな訳ですから、手取り足取りといった丁寧で適切な指導が必要不可欠です。残念ながら、母乳育児専門の指導員を準備している産院は、非常に少ないのが現状です。産院だから適切な指導が受けられるとも限りません。なるべく早い段階で、適切な授乳指導を受けて頂くことをお勧め致します。

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